消毒は施設の衛生管理において、欠かせない重要な作業です。感染症対策や利用者の安全確保のためには、適切な消毒方法の選択と実施が必要となります。
しかし、「どの消毒方法が適切か」「自社で行うべきか業者に依頼すべきか」といった疑問や悩みをお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、消毒の基礎知識や具体的な方法、施設ごとのポイントを詳しく解説していきます。また、専門業者へ依頼するかの判断ポイントについて、メリットやデメリットを踏まえて紹介していきます。
消毒について理解を深めたい方や専門業者を活用すべきかどうか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
消毒とは?
「消毒」は施設の衛生管理に欠かせず、多くの現場で日常的に行われています。ここでは、消毒についての基本知識と施設ごとの消毒効果を見ていきましょう。
消毒と除菌、殺菌・滅菌の違い
種類 | 効果 | 主な用途 |
消毒 | ウイルスや細菌の働きを弱め、感染リスクを抑える | 一般施設の日常的な衛生管理 |
除菌 | ・菌の数を減らす ・完全な除去ではない | 一般施設での衛生対策 |
殺菌・滅菌 | 菌を完全に死滅させる | 医療機関で使用する器具や環境管理 |
消毒は施設の衛生管理で最も現実的な選択肢です。完全に菌を死滅させる殺菌・滅菌は一般施設では難しく、また除菌だけでは不十分なケースが多いためです。
適切な消毒方法を選ぶことで、効率よく衛生環境を保てるでしょう。
消毒が必要な施設
多くの人が利用する施設では、感染症予防の観点から適切な消毒が欠かせません。特にコロナ禍以降、以下の施設において消毒の重要性が社会的に再認識されました。
種類 | 効果 |
ホテル | 利用者の安全確保と快適な宿泊環境 |
病院 | 感染症リスクの防止 |
介護施設 | 高齢者の安全確保と生活環境の衛生管理 |
定期的な消毒は施設の信頼性と安全性を高めます。特に人の出入りが多くなる感染症リスクの高い場所では、適切な頻度で消毒することが大切です。
消毒の主な方法と特徴
効果的な衛生管理のためには、目的や場所に合った消毒方法を選ぶことが重要です。ここでは、代表的な消毒方法と特徴を解説していきます。
アルコール消毒
アルコール消毒は、即効性があり手軽に使えることが特徴で、多くの施設で日常的に使用されています。
拭き取り不要で作業効率が高いため、頻繁に人が触れる場所の消毒に最適です。
主な使用箇所は、以下のとおりです。
- ドアノブ
- 取っ手
- 手すり
- エレベーターのボタン
- デスクやテーブルの表面
- 電話機
- リモコン など
アルコール消毒は、すぐに乾くため使いやすいですが、効果が短く定期的な消毒作業が必要となります。
次亜塩素酸ナトリウムによる消毒
次亜塩素酸ナトリウムは、強力なウイルス除去効果が特徴です。コロナ禍で広く認知された薬品です。
広範囲の菌やウイルスに効果があり、以下の箇所での消毒に適しています。
- 床や壁
- トイレ設備
- 浴室やシャワールーム
- 厨房設備や排水口
ただし、金属を腐食させる性質があるため、濃度の管理と使用場所に注意が必要です。
高温スチーム消毒
高温スチーム消毒は、薬剤を使わず水だけで消毒できる環境に優しい方法です。次のような布製品や細かい部分の消毒に適しています。
- カーペット
- ソファや椅子の布部分
- カーテン
- マットレス・枕
表面が濡れるため、乾燥時間を考慮する必要があります。また、熱に弱い素材には使用できません。
オゾン消毒
オゾン消毒は、空間全体を消毒できるため、手の届きにくい場所まで消毒が可能です。衛生管理が重視される以下の施設で利用されやすい方法です。
- ホテル客室
- 医療施設の病室や診療室
- 介護施設の共用スペースや居室
- 食品工場の加工設備
オゾンは人体に有害なため、処理中は無人環境が基本であり、さらに処理後の換気も必要となることから時間がかかります。
施設ごとの消毒ポイント
施設の特性に合わせた消毒が衛生管理には欠かせません。ここでは、ホテルや病院、介護施設それぞれの特徴に応じた消毒のポイントを解説していきます。
ホテルの消毒
ホテルでは利用者の回転が速く、さまざまな箇所に対して消毒が必要です。適切な消毒は顧客の安心感に直結し、ホテルの評価や口コミにも影響するでしょう。
主な消毒場所は、以下のとおりです。
消毒場所 | 効果 |
客室(ドアノブ、リモコン、電話) | チェックアウト後 |
フロントカウンター、エレベーターボタン | 1日に複数回 |
レストランのテーブルやイス | 使用後 |
共用トイレ、ロビー、手すり | 1日に複数回 |
チェックアウト後の客室清掃ではアルコール消毒が利用され、フロントやエレベーターボタンなど接触頻度の高い場所も同様に消毒されます。
ウィルス性の感染症流行期やお客様の長期滞在後には、布製品の洗浄や次亜塩素酸ナトリウムによる拭き上げなど、より念入りな消毒が求められます。
病院の消毒
感染症対策が最も重要視される病院では、徹底した消毒管理が欠かせません。患者と医療スタッフの安全を確保するために取り組みが必須です。
主な消毒場所は、以下のとおりです。
消毒場所 | 効果 |
手術室 | 使用ごと |
診察室、病室 | 使用ごと |
医療機器 | 使用ごと |
待合室の椅子、ドアノブ | 1日に複数回 |
共用トイレ、手すり | 1日に複数回 |
病院ではウイルスや細菌に強い次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が多くなります。診察室や病室にあるベッド周りや診察台などは入念な消毒が大切です。
一方、医療機器などの精密機器には、腐食のリスクが少ないアルコール消毒が一般的です。
また、手術室などの高い衛生環境が必要な場所では、オゾン消毒などの専門的な消毒方法も活用されています。
なお、専門業者のサービスを利用する選択肢もあります。例えば、マコトサービスが提供する「環境表面殺菌システム」は、壁や床、器具などの表面全体に対応でき、短時間で効率的な消毒が可能です。
介護施設の消毒
介護施設を利用する高齢者の多くは免疫力が落ちている傾向があり、徹底した消毒管理が求められます。
感染症予防が入居者の健康維持に直結するため、以下の場所で消毒が必要です。
消毒場所 | 効果 |
食堂やリビングなどの共用スペース | 毎日 |
手すり、エレベーター | 1日に複数回 |
トイレ、浴室 | 使用後 |
ベッド周り | 毎日 |
車椅子 | 使用後 |
介護施設の共用部分は次亜塩素酸ナトリウムを用いた定期的な消毒が効果的です。また、手すりなど入居者が頻繁に触れる箇所はアルコール消毒を複数回行います。
細部まで丁寧に消毒することで、感染症の拡大を効果的に防げるでしょう。
専門業者を利用する判断基準とメリット・デメリット
消毒作業を自社で行うか、専門業者に依頼するかは施設管理における重要な判断です。ここでは、業者を利用する目安やメリット・デメリットについて解説していきます。
専門業者を利用すべきケース
消毒作業を依頼する判断基準は、各施設の状況や目的により異なります。
以下のようなケースでは、専門業者の利用を検討するといいでしょう。
- 施設の規模が大きく、自社スタッフだけでは対応困難
- 感染症発生後など、徹底した消毒が求められる非常時
- 定期的かつ確実な消毒が求められる医療施設や介護施設
- 専門的な設備や技術が必要
- 人手不足
特にコロナウィルスのような感染症拡大期には専門技術・知識を持つ業者の活用が有効です。
弊社でも実際にコロナ禍で多くの施設や企業様からご相談をいただき、ダイヤモンドプリンセス号やクラスターが発生した病院の消毒を担当させていただきました。
専門業者に依頼するメリット
専門業者へ依頼するメリットは多くあります。主なメリットは、以下のとおりです。
- 短時間で施設全体の消毒が完了
- 適切な薬剤や機材を使用した確実な消毒効果
- 見落としがちな箇所まで徹底した消毒
- 安全かつ適切な薬剤での作業
自社での消毒よりも、専用機材と正しい薬剤知識を持つ清掃のプロに依頼することで、効率的かつ安全に作業できるでしょう。
専門業者を利用するデメリット
専門業者への依頼にはメリットが多い一方で、注意すべき点もあります。以下のデメリットを事前に確認しておきましょう。
- 日程調整が必要
- 自社で行うより費用がかかる
- 施設によっては依頼できる作業時間に制約がある
予算や費用対効果を考慮した判断が必要になります。また、業務へ支障がないように計画することが重要です。
まとめ
施設の衛生管理において、適切な消毒は重要です。ホテルや病院、介護施設など、それぞれの施設に合った消毒を行う必要があります。
自社での対応が難しい場合は、専門業者の力を借りることも効果的な選択肢です。自社の衛生管理の問題を解決するために、必要に応じて依頼をしましょう。
「株式会社マコトサービス」は宿泊施設や医療施設、介護施設等に特化した清掃会社です。専用の機材や薬剤を使用し、専門教育を受けたスタッフが徹底した消毒を行います。
衛生管理でお困りの際は、長年の経験とノウハウで多くのお客様からご支持をいただいております弊社へ、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。