2023年03月24日

医療施設でのクリーンケアシステムを生かした清掃の流れとは?詳しくご紹介

医療施設でのクリーンケアシステムを生かした清掃の流れとは?詳しくご紹介

医療施設は、さまざまな感染症の危険であふれています。その中で患者さんや医療スタッフの皆さんの安全を確保するために、クリーンケアシステムが助けとなります。ここでは医療施設がもつ、他の施設とは異なる特性について、そして清掃法とは具体的にどのように行うのかをわかりやすくご紹介しましょう。

1.院内清掃が他の一般的な清掃と異にする点

医療施設での清掃の場合、他の一般的なビルやオフィスの清掃業務と比較して、かなり異なる点が多くあります。それは医療施設であることによる、独特な状況があるからです。単純に清掃作業を行うというひと言では済まされません。ここでは、医療施設における清掃が、他の一般の清掃とどう異なるのかについてご紹介します。

1-1.人の動きの中で行われる

一般のビルやオフィスの清掃作業の場合、そこでの業務が行われない日や時間を狙って、清掃作業を行うことがほとんどです。ところが、医療施設では、誰もいないという状況は起こりません。入院患者がいたり、24時間体制でスタッフが入っていたりすることも多いでしょう。ですから、作業はそのような人々の存在を念頭に置いて行われなければなりません。

1-2.さまざまな施設が複雑に存在している

たとえば病院は、診察室・処置室・手術室・病室・検査室・ICU・事務室などがあります。それぞれの施設の性格に応じた清掃の方法が適切に行われる必要があるでしょう。そしてそれらは前回の記事でご紹介した「ゾーニング」によって区別されています。そのそれぞれに求められる清浄レベルや方法で清掃が行われなければなりません。それにより、医療施設の清掃はより複雑となるのです。

1-3.さまざまな取り扱いの注意が必要な機材・機器や用具がある

医療施設には、さまざまな検査機器や薬品、精密な器具などが多く存在しています。清掃作業を行う際は、それらの取り扱いや振動・衝突などに注意をしなければなりません。また、小さな埃を残すことすら許されないエリアもあるので、全く気が抜けない作業を強いられます。

1-4.作業場の安全性が格段に異なる

医療施設で発生する廃棄物(ゴミ)の中には、患者の血液が付いた注射針や消毒綿などがあります。また、処置の際に発生する患者の体液が付着したガーゼ・手袋など、感染の可能性がある廃棄物の扱いについても慎重でなければなりません。

2.クリーンケアシステムによる清掃法

医療施設は、独特な環境や状況があり、そこでの清掃作業は、一般のビルなどの清掃の方法とは大きく異なることを述べました。そのような環境での清掃は、クリーンケアシステムという独特の基準と方法によって行われています。ここでは、それに則った作業法で注意されている点などについてご紹介します。

2-1.適したモップの使用

小さな埃やクズは、医療現場の大敵です。もし埃を残せば、それがウイルスや病原菌などの温床となり、より不衛生となってしまうからです。

清掃の際には、埃をできるだけ確実に取れるようなものを使用します。たとえば、ドライモップ(乾式)とウエットモップ(湿式)のように使い分けを行いましょう。また、色の異なるモップを、それに対応するゾーンで使用したり、より除去率の高いマイクロファイバー製のモップやクロスを使用したりします。

2-2.厳選された洗剤の使用

清掃といえば、使用する洗剤も重要です。使用するクリーナーは、EPA(アメリカ環境保護局)に登録されたものを使用するケースが多いでしょう。それらの成分により、ウイルスに対して効果が現れるとして使用されている施設が多く存在します。

2-3.日常清掃の方法

日常清掃とは、毎日行われる清掃作業の事で、病室や患者が毎日利用する場所での清掃を指します。日常清掃には鉄則があり、たとえば順番に関しては「奥から手前に」「上から下に」「左方向と右方向を、重複部分を作りながら繰り返し拭く」事を基本として、丁寧に清掃を行いましょう。

モップによる清掃について、水を含めるかどうかで「乾式清掃」と「湿式清掃」とがあり、それらを効果的に組み合わせて行います。「乾式清掃」と「湿式清掃」のそれぞれにモップの使い方を決めて行います。

2-4.感染経路の遮断を意識して

同時に日常清掃では、感染防止に当たるという本来の目的をもとに、感染経路の遮断を行いましょう。施設にいる人が、手を触れる機会が多い場所の除菌作業を徹底して行います。たとえば、ドアノブ・取っ手・エレベーターのスイッチ・手すり・壁などは、丁寧にかつこまめに清掃作業を行うべきです。

また、手を触れられない場所であっても室内環境や換気を行い、窓や通気口・エアコンの吹き出し口も埃を取り、通気を良くしておく必要があるでしょう。そのような点からも、病原菌が増えにくい環境づくりを目指しましょう。

2-5.血液・体液の扱い

CDC(米国疾病管理予防センター)で定められた、血液や体液による汚染時の対処法があります。
1点目に、「こぼれた血液、あるいは他の潜在的に感染可能な物質が流出した場合は、速やかに清掃をし、汚染除去を行う」ことです。また2点目は、「血液あるいは体液のこぼれた場所を掃除した後、500~615ppm程度の、次亜塩素ナトリウム製剤で、表面を消毒すること」とあります。

4.まとめ

他の一般の施設とは異なり、さまざまな感染の危険のある医療施設での清掃は、より確実に行う必要があるでしょう。感染を防ぐために、クリーンケアシステムがあり、細かな方法が示されています。それに加えて、医療スタッフと清掃スタッフの広い知識と技術によって、施設内の安全が保たれるのです。

「株式会社マコトサービス」では、知識と技術豊かな清掃作業をお手伝いさせていただいております。確かな清掃、確かな医療施設の安全確保について取り組まれておられる方、関心がおありの施設の方がおられましたら、お気軽にお問い合わせください。ご相談にも誠心誠意お応えいたします。